スポーツライターの仕事は甘くない、僕が『theLetter』を始める理由。

7冊の著書を持ち、様々なメディアに執筆中のスポーツライターです。原稿をどんなに書いても、正直、家族を養っていくのは簡単ではありません。斜陽の出版業界を生き抜くために、新たなチャレンジを始めます。
酒井政人 2025.02.15
誰でも


ラーメンは値上がりしても原稿料は上がらない

秋葉原にある家系ラーメンが好きで、寒くなると自宅からランニングで出かけていき、食べていた。小学生の息子と一緒に。

ちょっと前まではチャーシュー麵が1,000円で、ラーメンが700円。そしてご飯が無料! 味玉をトッピングしても、2,000円でお腹パンパン。幸せな気持ちになれた。

しかし、いまは違う。

そのお店は、チャーシュー麵が1,250円、ラーメンが900円。それからご飯が有料(100円)になったのだ。もう2,000円でハッピーを味わうことができなくなった。

近年の物価高騰はラーメンだけではない。一方、雑誌の原稿料は30年で横ばいか、むしろ下がっている。

さらに近年は雑誌より原稿料の低いWEBメディアの仕事がメインになっており、スポーツライターは〝暗黒の時代〟に入ったといえるだろう。

ロンドン世界陸上は25万円の赤字

雑誌の依頼は基本、交通費が全額支給される。しかし、専門誌は原稿料が一般誌の半額ほどしかない。

一方、WEBメディアは大会取材の交通費がほとんど期待できない。まったくないか、あっても片道分だ。そしてWEBメディアの原稿料は1本2万円ほどが多い。

極端な例ではあるが、ロンドン世界陸上を取材したときは、稼いだ原稿料を必要経費が大きく上回った。その収支は「-25万円」だ。自宅でテレビ観戦していれば、少なくとも25万円を失うことはなかった。

それでも、現地で取材したいのがスポーツライターの本能だろう。

この冬は、大阪マラソン、名古屋ウィメンズマラソン。それから4月は日本選手権10000m(熊本開催)を基本、自費(※一部負担してもらえるケースもある)で取材する予定だ。大阪マラソンと名古屋ウィメンズマラソンは前日までに報道受付をしないといけないので、現地に宿泊する必要がある。日本選手権10000mは取材後の東京便はないので、後泊することになる。

ホテルと航空券は予約したが、インバウンドの影響でホテルも高騰。なかなか大変だ。

大阪マラソンの場合、頑張ってWEB原稿を3本書いたとしても、往復交通費(約3万円)と宿泊費(約1.5万円)がかかるので、収支は「+1.5万円」にしかならない。移動時間を含めて、約3日間の稼働で得られる報酬は〝最低賃金〟を下回ることになるだろう。

書きたいことを書けるわけではない

なかには「好き勝手に書きやがって」と思っている方がいるかもしれないが、フリーランスといえども、決して自分が書きたいことを書けるわけではない。

自ら企画を持ち込むこともあるが、基本は編集部から「こんなテーマで書いてくれませんか」という依頼のもとで記事を制作しているからだ。

テーマにマッチする記事が書けなければ、修正を求められることもあるし、WEBメディアの場合、掲載が見送られるケースもある。

またWEBメディアは編集部から〝煽りタイトル〟をつけられることがあり、それが原因で炎上することもある。

多くのモヤモヤを抱えながら、フリーランスのスポーツライターは記事を書き続けている。

ただし、今後は『theLetter』を活用することで、その世界が変わるかもしれない。

ここでは「他メディアで書けなかったこと」や「自分が書きたいこと」を配信していく予定。

多くの皆さまに『読者』になっていただければ幸いだ。

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